チェンバロ紹介

チェンバロってどんな楽器?

IMG_9553鳥の羽根の軸で弦を撥く撥弦楽器です。
同じ鍵盤楽器である、現代のピアノ(モダンピアノ)はハンマーで弦を叩く打鍵楽器です。
このピアノと違うチェンバロという古楽器を使ってアーティキュレーションをはじめとする、古楽音楽の世界を経験することができます。

なぜチェンバロが・・・?(レッスンにチェンバロを取り入れている理由)

IMG_9563結論から申し上げると、それは~本質的自己表現☆わかって・ひけて・うれしいな☆に大いに役立つからです。総合的な音楽力育成の1つとして大変重要です。

バロック時代は、曲の大半は、当時の古楽器で演奏されていました。(チェンバロ・クラヴィコード・オルガン・フォルテピアノなど)
そのため、バッハ以前のバロック曲を古楽器であるチェンバロなどを交えてレッスンすると、バロック曲を理解するきっかけとなり、現代のピアノ(モダンピアノ)で演奏する上でも、良いヒントが得られ、その体験によってバロック時代以降のクラシック演奏表現力の向上にもつながります。

正確にきちんとした説明をしますと、専門的になり難しくなりますので、簡易にお話させていただきます。
(また、レッスンではバッハなどバロック曲をすべてチェンバロのみで弾かせたり、チェンバロの奏法・概念をそのまま現代ピアノでコピー演奏させる事が目的でもありません・・・それは無理ですし。)

ピアノの歴史というのは、おおよそ200~250年あります。(フォルテピアノの使用が盛んになってから以降として)・・・長い歴史ですね。
その間に、素晴しいピアノ曲が山のように生まれ、ピアノにしかできない独特の技法や表現が生まれました。

IMG_9531時代の流れに簡単に区切ることはできませんが、それよりもっと昔のおおよそ300年~400年の間には上記のピアノは存在せず!、チェンバロなどの鍵盤楽器やパイプオルガンや、クラヴィコードなども含めた古楽器がヨーロッパの一部の人々に盛んに使用されていました。

比べてみると(優劣ということではなく)、古楽器群がピアノの歴史と同じ、もしくはそれより長い期間を占めていることがわかります。
とすると、これらピアノ以前の古楽器に対して、わかっているようで、よくわかっていないままで良いのかな?という想いが沸いてきます。
もしかして、何か大切なことや気が付かずに見落としてしまっている重要なことがあるかも知れません。

バッハより以前の巨匠達は、もとよりバッハの息子たち・ハイドン・モーツアルト・ベートーヴェンの主に幼少期にも、こうした楽器(クラヴィコード・チェンバロ・オルガン)は使用されていました。
また、楽器がフォルテピアノなどに代わっていっても、次の時代(古典・ロマン派・近現代)の作曲家は、少なからずこれらの楽器を使用していたバロック時代以前の音楽に影響され、その精神をDNAのように受け継ぎながら自己の新たな芸術音楽を産み出していきました。

ルネッサンス・バロックの作曲家達(J.S.バッハなど多くの巨匠達)はこれらの楽器を熟知し、楽器の魅力が最大限引き出されるよう、また、時代の要請に応えた素晴しい曲を(宝の)山のように産み出しています。

このように、古楽はクラシック音楽の根幹なのです!

幼い生徒さんにもチェンバロに触れる機会を

IMG_9658上記は重要なレパートリーため、昔から現代ピアノのレッスンでも、習い始めのお子さんや、初心者の方が小品~難曲へと取り組んでいく場合が多いのですが、(私もそうでしたが)今にちでも、現代ピアノでそれ用に翻訳された楽譜で何の違和感なくレッスンされるのが、普通・当たり前の多数派でしょう。そのレッスンは上記のような背景があるため、意図せずとも絵に描いた餅のおいしさを説明されるようなものになりがちで、チェンバロなどで習えるのは、まだまだ小数派です。

やはり、ヴァーチャルでなくリアルな餅を食するように、現代ピアノに似ていて全く違うチェンバロやその他の古楽器に直接触れることが大切です。するとこの楽器は何?どんな音がするの?どうやって弾くの?この音楽は何だ?!という興味関心のモチベーションが何故だか突然沸き上がってきます。特に歴史などまだ学んでいない子供達は、バロック音楽や古楽器に先入観や偏見なく興味関心を抱きます。又余計なテクニックを身に付けていない小さな生徒さんほど、構えることなく自然体に美しく音を奏でる柔軟性を持っています。

しかし、ただ古楽器に触れれば良いと申し上げているのではなく、音楽的自立初めで触れたように、長い歴史上の背景がもたらす西洋音楽に関する様々な事象を理解しつつ、今にち様々な楽器楽譜が混然一体と存在している中で、これらの音楽・楽器に対応できる力を身に付けることが重要でしょう。特に、初心者や、あまり詳しくない方には十分なサポートを受けることが必要です。
いずれにせよ、このような直接的な経験をきっかけとして、現代ピアノでバロック曲を弾く上でも、それ以降の時代の曲を弾いて行く上でも、様々なヒントのカケラを得ることができるならば、それは何よりの大きなメリットであると考え、当教室では、幼い生徒さんにもお話をしながらチェンバロに触れる機会をレッスンやクリスマス会などで設けております。